震災から10年目の声 20221104(第19回)
今回は東日本大震災から10年がたち、あらためてその体験を直接に、あるいは間接に語る声について考えるために、2冊の本を紹介します。 一冊目は、『10年目の手記』です。この企画はオンラインラジオ「10年目をきくラジオ モノノ...
今回は東日本大震災から10年がたち、あらためてその体験を直接に、あるいは間接に語る声について考えるために、2冊の本を紹介します。 一冊目は、『10年目の手記』です。この企画はオンラインラジオ「10年目をきくラジオ モノノ...
今回は、 石井美保『遠い声をさがして 学校自己をめぐる<同行者>たちの記録』におけるさまざまな声の存在の意義について考えてみたいと思います。石井美保は、文化人類学者を専門とする大学の研究者です。しかしこの本は、著者のこ...
今回は2018年講談社の文芸誌「群像」6月号に掲載された北条裕子「美しい顔」における剽窃騒動をとりあげ、そこで問題にされた体験と声の所有について考えたいと思います。この小説は東日本大震災の避難所を舞台に、ある女子高生の体...
今回は、ロシアの思想家ミハイル・バフチンにおける「声」の意味について、去年、2021年9月に出版された桑野隆『生きることとしてのダイアローグ』(岩波書店)を読みながら考えたいと思います。 ミハイル・バフチンの思想としては...
今回は、サルトルのアンガージュマン、すなわち社会参加の文学の考え方から出発し、不条理な世界、まさに言葉を失う事態に直面したときに、それでも文学は言葉を生み出しうるのか、その言葉の条件について考えてみたいと思います。 19...
今回はこのことばと体験の問題について、フランスで15年前に起きた剽窃騒動を取り上げて、言葉の所有、声の所有ということについて考えてみたいと思います。 人生のなかで強い喪失の体験があったとき、私たちは言葉を失います。あま...
第二次世界大戦が終結してもうすぐ80年になろうとしています。この80年という時間は、人々の社会に対する認識が大きく変わる節目だと述べた研究者がいます。それはある出来事が起き、どれほど多くの人がその出来事の体験を覚えてい...
今回はポーランド文学、比較文学を専門としている西成彦の新著『声の文学』を読みながら、本書のタイトルでもある声と文学の関係を考えたいと思います。特に今回取り上げるのは、この本の第3章「文学とオーラルヒストリー」です。なおこ...
今回はアメリカの映画監督ケリー・ライカートの作品を取り上げ、作品がすくいあげる声の存在について考えたいと思います。ライカートは1964年アメリカ・フロリダの生まれで、そのミニマムな構成に特徴があります。大きな盛り上がりは...
10回目の今回は、前回に続いて「聞き書き」という、声を文字として書き記す行為を取り上げたいと思います。前回も述べたように「聞き書きが成立するためには二人の人間が必要です。一人は語る人、この人は体験を持っています。しかし体...