ディデエ・エリボンは誰の声を聞いたか 20240301(第29回)
「ことばにならない声/声にならないことば」。今回は、フランスの哲学者・社会学者であるディディエ・エリボンの著作『ランスへの帰郷』『人生、老い、そしてある庶民階級女性の死』の2冊を読みながら、作品に記される、著者自身の母の...
「ことばにならない声/声にならないことば」。今回は、フランスの哲学者・社会学者であるディディエ・エリボンの著作『ランスへの帰郷』『人生、老い、そしてある庶民階級女性の死』の2冊を読みながら、作品に記される、著者自身の母の...
今回は、2023年1月に芥川賞を受賞した佐藤厚志『荒地の家族』を読みながら、フロイトの概念である「喪の作業」と対比することによって、死者の声を聞くいとなみとしての文学の意味を考えてみたいと思います。 『荒地の家族』は20...
今回は、近現代日本文学の研究者佐藤泉の新著『死政治の精神史』を取り上げ、現代社会に対する著者の透徹した批判意識のもと、新たに照らし出されていく森崎和江、石牟礼道子の「聞き書きの文学」の意義を考えたいと思います。 この著書...
今回は、コロナ禍のさなかで近親者を亡くした2人のフランス人作家が、その体験に基づいて書いたそれぞれの作品を取り上げ、文学における言葉と近親者の死の表象の問題を考えます。 最初は、アデル・ヴァン・レート(Adèle Va...
「ことばにならない声/声にならないことば」。今回は、オーレリー・フィリぺッティの『労働者階級の最後の日々』を取り上げて、その作品で描かれる戦後フランスの労働者の声について考えます。 フィリぺッティは1973年生まれの政治...
今回は、フランスの現代作家フランソワ・ボンの小説を取り上げ、作品における声の存在について考えます。フランソワ・ボンは1953年生まれ、今年70歳になる小説家で、これまで二十作以上の作品を書いています。 その作品の特徴は、...
今回は、2022年7月に出版された滝口悠生の長編小説『水平線』を取り上げ、この作品の全体を通して流れている声の特徴の一端を明らかにしたいと思います。 小説の概要を説明するときに、挙げられるのは主に舞台設定、主人公、ストー...
「ことばにならない声/声にならないことば」。今回は、歴史の中に眠る死者の沈黙に耳を傾けること、と題してお話ししたいと思います。ただし、歴史といっても、歴史の中で名前が消されてしまった人々の歴史です。また沈黙...
今回は、アフガニスタンの女性作家たちの短編集『わたしのペンは鳥の翼』(小学館)を紹介し、作品の中から聞こえてくる声について考えたいと思います。 2022年の国際的な大きな出来事として、ロシアのウクライナ侵攻がありました...
「ことばにならない声/声にならないことば」、今回は、今年フランスで出版された、クロエ・コルマンの小説『姉妹のように』を取り上げ、作品世界における証言者の声の位置付けの問題をさぐっていきたいと思います。 昨今...